皆さんこんにちはよりねこ担当編集部です。
前回はご自身の介護についてのチェックリストについて解説をしました。
本日は「親の介護終活」を進める上で絶対に知ってもらいたい「親の介護に備えるための終活チェックリスト|家族で話し合うべき7項目」について解説をしていきます。
- 親が病気をしがちで将来の介護が心配
- 介護について何も準備をしていない
- 親の介護ってどうすればいいかわからない
親の介護は“突然やってくる”だからこそ終活準備が必要
介護はある日突然、私たちの生活の中にやってきます。
それまで元気だった親が体調を崩したり、転倒をきっかけに入院したり、認知症の症状が出始めたり——そうした変化は、思っているよりも早く訪れることがあります。
特に40代・50代は、仕事や子育て、自分の健康管理など多くの責任を抱える世代。そんな中で親の介護が重なると、心にも時間にも余裕がなくなってしまうことが少なくありません。
だからこそ、「介護」は“起きてから考える”のではなく、“起きる前に備える”ことが大切です。
その準備こそが「終活」です。終活は亡くなった後のことだけではなく、親や自分の生活を守るための現実的な準備でもあります。
ここでは、介護を見据えて今からできる具体的な備えを、順を追って見ていきましょう。
40代・50代こそ「親の介護」を現実的に考える時期
親がまだ元気に過ごしているうちは、「介護なんてまだ先の話」と思いがちです。
しかし、介護のきっかけは突然訪れます。厚生労働省の統計によると、要介護状態になる原因の上位は「脳血管疾患」「認知症」「転倒・骨折」。どれもある日を境に生活が一変する可能性があります。
40代・50代は、親が70〜80代を迎えているケースが多く、介護が始まる“予備期間”にあたります。
また、この年代は「子どもの教育費」「住宅ローン」「自分の健康不安」といった現役世代ならではの課題も重なるため、心身ともに余裕を持って対応するには事前の準備が不可欠です。
この時期に親の健康状態や生活環境、介護への考え方を知っておくことで、いざというときの判断がスムーズになります。
「親の介護に備える終活」は、親孝行の一つであり、自分の未来を守る行動でもあります。
親の介護は「心と生活」に大きく影響する|想像以上に大変
介護が始まると、想像以上に日常生活が変わります。
例えば、介護にかかる時間や労力だけでなく、仕事との両立や家族関係の変化など、さまざまな影響が現れます。
総務省の調査によれば、介護を理由に離職する人は年間で約8万人にのぼるとされています。
特に40代・50代での離職は、その後の家計やキャリアにも大きな影響を及ぼします。
また、介護を担う側の心の負担も見逃せません。厚労省の調査では、介護者の約6割が「孤立や不安を感じる」と回答しています。
つまり、介護は“家族全員の問題”であり、誰か一人が抱え込むことで心身のバランスを崩すリスクが高いのです。
終活を通じて「どう分担するか」「どのような支援制度を使うか」を話し合っておけば、いざという時に慌てずにすみます。
介護は愛情だけでは乗り越えられない現実的な課題。だからこそ、終活という“準備の形”で心と生活のゆとりをつくることが重要です。
終活として準備しておけば慌てずに対応できる
終活をしておくことは、介護が始まったときに“迷わないための地図”をつくることでもあります。
事前に親の希望や持病、かかりつけ医、保険・資産情報などを整理しておくと、いざという時に家族が冷静に動けます。
例えば、急な入院時に必要な書類や保険証の場所が分からず、家族が探し回るというケースは非常に多いです。
また、介護保険の申請やケアマネジャーとの打ち合わせ、施設の見学なども、早めに準備を始めておくとスムーズに進みます。
40代・50代のうちに「親の終活」を意識しておくことは、リスク回避ではなく、“家族を守る思いやりの行動”とも言えます。
終活という言葉には「終わり」のイメージがあるかもしれませんが、実際は「これからの暮らしを安心して続けるための活動」です。
親の介護に備える終活を進めることで、家族が動揺せず、支え合える環境を整えることができます。
親の介護に備えるための終活チェックリスト7項目
介護の準備というと、施設選びや費用の心配など「介護が始まってから」のことを思い浮かべがちです。
しかし、本当に大切なのは「介護が必要になる前」に親の情報や希望を把握しておくことです。
そうすることで、いざという時に慌てず、家族の負担を最小限にできます。
終活の一環として、この“介護チェックリスト”を活用すれば、
「何から始めればいいか分からない」という不安を減らしながら、少しずつ着実に準備を進めることができます。
ここでは、家族で話し合っておきたい7つの重要なポイントを解説します。
親の健康状態と持病・通院情報を把握しているか
介護を考えるうえで、まず最初に確認しておきたいのが親の「健康状態」です。
持病や服薬の有無、かかりつけの病院、通院スケジュールなどを正確に把握しておくことで、介護が始まったときの対応がスムーズになります。
実際、突然の入院や体調悪化の際に「どの病院に通っていたのか分からない」「薬の種類が分からない」という理由で、治療が遅れてしまうケースも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためには、普段から健康情報を“共有”しておくことが大切です。
ノートやスマホのメモ機能などに、「病院名」「診察日」「服用薬」「緊急時の連絡先」をまとめておきましょう。
また、親が元気なうちに健康診断結果や検査データを見せてもらうのも有効です。
40代・50代の世代にとって、親の健康を把握することは「介護のスタートライン」です。
これは介護だけでなく、親の生活を尊重し、安心を支えるための第一歩にもなります。
介護が必要になった時の希望(在宅・施設)を確認しているか
介護の形には「在宅介護」と「施設介護」の2つの選択肢があります。
それぞれに利点と課題があるため、親の希望を早めに聞いておくことが重要です。
在宅介護を希望する親御さんは、「自分の家で最期まで過ごしたい」という思いを持つことが多い一方で、
家族の負担や住環境、介護サービスの手配など、現実的な課題もあります。
一方で施設介護を選ぶ場合は、費用のほか、立地・医療体制・見学時の印象などを考慮する必要があります。
厚生労働省の調査によると、介護が必要になった人のうち、約7割が「自宅で介護を受けたい」と回答しています。
しかし、実際に自宅で介護を継続できるケースは4割ほど。
つまり、希望と現実の間にギャップが生まれやすいのです。
だからこそ、親の「希望」と家族の「現実的な支援力」をすり合わせることが大切です。
親の思いを尊重しつつ、実際にできること・できないことを冷静に整理しておきましょう。
この話し合い自体が、終活の大切なプロセスになります。
介護費用・生活費の負担をどうするか話し合っているか
介護を語るうえで避けて通れないのが「お金の問題」です。
介護費用は内容によって大きく変わりますが、在宅介護の場合は月平均約8万円、施設介護では平均15〜20万円前後といわれています(厚労省「介護給付費等実態調査」より)。
これに医療費や生活費が加わるため、事前の資金計画なしでは家計に大きな負担がかかります。
親の年金や貯蓄がどのくらいあるのか、どの程度子どもが支援できるのかを率直に話し合うことが必要です。
特に40代・50代は、まだ現役で働いている時期。
自分たちの生活費・教育費とのバランスを見ながら、介護費用の分担を考えておくことが現実的です。
また、介護保険制度の利用や、高額介護サービス費制度などの公的支援を知っておくことも大切です。
終活の段階で「お金の見える化」を進めておくことで、急な出費にも冷静に対応できる安心感が得られます。
家のバリアフリー化や住み替えを検討しているか
親が安心して暮らせる環境を整えることも、終活の重要なテーマです。
年齢を重ねると、段差や階段など、これまで気にならなかった部分が転倒やけがの原因になることがあります。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、手すりの設置や段差解消などの小さなバリアフリー化を進めておくのがおすすめです。
介護保険を利用すれば、住宅改修費(最大20万円まで)の補助を受けられる制度もあります。
また、親が一人暮らしの場合や、地方に住んでいる場合は「住み替え」も選択肢に入ります。
子どもの近くへの引っ越しや、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などへの移住は、介護のしやすさと安全性の両面でメリットがあります。
実際に住まいの見直しを行った家庭では、「転倒事故のリスクが減った」「緊急時に対応が早くなった」という声も多く聞かれます。
40代・50代のうちに、親の生活環境を客観的にチェックしておくことが、将来の介護トラブルを減らす第一歩です。
「住まいの終活」こそが、介護の安心を支える土台になります。
緊急連絡先や医療・介護関係の情報を整理しているか
親が体調を崩したとき、まず必要になるのは「誰に連絡するか」「どこへ運ぶか」という情報です。
しかし実際には、いざという時に「主治医の名前がわからない」「入院先の連絡先を知らない」というケースが少なくありません。
慌てて調べようにも、夜間や休日だと連絡が取れず、対応が遅れてしまうこともあります。
こうした事態を防ぐためにも、緊急時の連絡体制を明確にしておくことが介護の第一歩です。
具体的には、以下のような情報を一覧化しておくと安心です。
- 主治医やかかりつけ病院の名称・電話番号
- 薬局名・服薬内容・アレルギー情報
- 介護サービス事業者やケアマネジャーの連絡先
- 親族・近隣住民・友人など、緊急時に協力してもらえる人の連絡先
紙のノートやスマートフォンのメモにまとめ、家族全員が確認できる場所に保管しておくのが理想です。
また、エンディングノートやクラウドメモなどに登録しておくと、外出先でも確認できて便利です。
40代・50代のうちに、こうした情報共有を習慣化しておくことは、「終活」=家族を守る準備にもつながります。
親の介護が始まってから慌てるのではなく、元気なうちに整理しておくことが何よりの安心です。
延命治療や介護方針に関する意思を確認しているか
介護や医療の現場では、「延命治療をどうするか」「どこまでの医療行為を望むか」という選択を迫られる場面が訪れます。
このとき、親の意思を知らないまま家族が決めなければならないのは、非常に苦しいことです。
だからこそ、元気なうちに話し合っておくことが“心の終活”のひとつといえます。
延命治療とは人工呼吸器や経管栄養など、生命を維持するための医療行為を指します。
本人の希望を尊重することが大切ですが、どの選択にも「良し悪し」はありません。
大切なのは、家族が“本人の考え”を理解し、共有しておくことです。
「もし自分が入院したら、どうしてほしい?」
「自宅で過ごしたいか、それとも施設や病院の方が安心か?」
こうした会話を、食事中や帰省時などの自然なタイミングで少しずつ重ねていくのが理想です。
また、エンディングノートや「リビングウィル(事前指示書)」に意思を残しておくのも有効です。
それがあるだけで、家族は「この決断は間違っていない」と思える心の支えになります。
40代・50代の世代が中心となって親の意思を確認し記録しておくことは、
将来の“介護の迷い”をなくすための大切な行動です。
終活の中でも、もっとも「心に寄り添う準備」といえるでしょう。
兄弟・家族間で介護の役割分担を決めているか
介護は、家族の誰か一人だけで背負うものではありません。
しかし現実には、仕事や住まいの距離、性別、家庭の事情などから、特定の人に負担が偏ってしまうことが多いのが実情です。
その結果、介護疲れや家族間の意見の食い違いが生まれてしまうケースもあります。
そうしたトラブルを防ぐためには、あらかじめ「誰が何を担当するか」を話し合っておくことが大切です。
たとえば、「長男は経済面のサポート」「次女は通院の付き添い」「近居の家族が日常の見守り」など、役割を明確にしておくと安心です。
また、兄弟それぞれの負担感を可視化することも大切です。
「自分ばかりが頑張っている」という気持ちが蓄積すると、関係が悪化しやすくなります。
だからこそ、定期的に話し合いを設け、状況を共有しながら柔軟に見直していく姿勢が求められます。
最近では、家族で介護情報を共有できるアプリやLINEグループなどを活用するケースも増えています。
小さな報告や感謝の言葉を交わすだけでも、家族の絆は強まります。
40代・50代のうちから兄弟間のコミュニケーションを築いておくことは、将来の介護負担を分かち合う基盤になります。
「誰かがやる」ではなく、「みんなで支える」——それが終活としての介護準備の本質です。
40代・50代が意識すべき“ダブル介護”のリスク
介護の問題は、決して「親世代」だけのものではありません。
40代・50代というのは、親の介護が現実味を帯びてくる一方で、自分自身も健康面や将来設計を見直す時期です。
そのため、親の介護と自分の老後が重なる「ダブル介護」という課題が、今後ますます増えていくといわれています。
総務省の調査によると、40〜50代の約6人に1人が、親と自分の子どもの両方のケアに関わっていると回答しています。
育児・仕事・介護を同時に担う「トリプルケア」という言葉も登場するほど、現役世代にかかる負担は年々大きくなっています。
こうした中で重要なのは、「親の介護」と「自分の終活」を同時に意識することです。
つまり、親の世代だけでなく、自分自身の将来も見据えた“二重の準備”を進めていくことが、これからの時代の現実的な備えといえます。
自分の老後と親の介護は同時にやってくる可能性
「親の介護はまだ先」「自分の健康は大丈夫」と思っていても、気づけばどちらも避けられない課題として同時に訪れる可能性があります。
40代・50代はまさにその境目であり、体力や気力の低下を実感し始める時期でもあります。
例えば、親の介護が始まったタイミングで自分も持病を抱えたり、仕事の責任が増して介護に時間を割けなくなったりと、“重なり”による負担が発生することは少なくありません。
厚生労働省の調査によると、介護離職者の約4割が40〜50代。「まだ現役世代だからこそ頑張れる」と思いがちですが、体調や経済のバランスが崩れると、一気に生活全体に影響します。
このようなダブル介護のリスクを軽減するには、早い段階からの終活が効果的です。
自分の健康状態を記録しておく、保険や資産の状況を整理しておくなど、親と同時に“自分の介護準備”を進めておくことで、後の負担を大きく減らせます。
40代・50代は人生の中で「支える側」と「支えられる側」の両方に立つ特別な時期。この時期にこそ、“ダブル介護”という現実を冷静に見据えた計画づくりが欠かせません。
仕事・家庭・介護のバランスを崩さないための備え
介護が始まると、仕事や家庭生活との両立が大きな課題になります。
特に40代・50代は職場でも責任のある立場にいることが多く、「休めない」「仕事に穴を開けられない」という思いから、知らず知らずのうちに心身が疲弊していくことがあります。
こうした状況を防ぐためには、「仕組みづくり」と「支援の活用」が大切です。
まずは職場の介護休業制度や時短勤務の有無を確認し、利用できるサポートを把握しておきましょう。
また、地域包括支援センターなど自治体の窓口を通じて、ケアマネジャーや介護サービスを早めに相談しておくことも重要です。
家庭内では、介護の分担や情報共有の方法を明確にしておくと、誰か一人に負担が集中するのを防げます。
LINEグループや共有ノートを使い、親の体調や通院情報を家族でこまめに共有しておくのも効果的です。
そして何より、自分自身の心身のケアを後回しにしないこと。
介護を続けるうえで、介護者の体と心の健康が何より重要になります。(介護者が倒れてしまっては元も子もありません)。
終活の一環として、自分の生活リズムを整え、無理のない介護体制を築くことが、長期的に見て最も現実的な備えです。
親子で一緒に「介護と終活」を進める習慣づくり
親の介護をテーマに話すのは気が重く感じる方も多いかもしれません。
しかし、「いざというとき困らないように」「お互いに安心できるように」という前向きな気持ちで話を始めると、会話はずっとスムーズになります。
特に40代・50代のうちは親もまだ会話ができる年齢です。この時期に「介護と終活を一緒に進める」という意識を持つことで、一見話ずらい将来の会話もできるようになり、将来の誤解や衝突を防ぐことができます。
逆に介護をしなければならないというタイミングでいきなり話をし始めても、忙しかったり、病気が進行して会話が難しかったりしてなかなか思うように進まないということもあるいかもしれず、早めの準備が非常に大事になります。
例えば、エンディングノートを一緒に書いたり、
介護保険や医療制度について調べながら「こういう時どうしたい?」と会話してみたりするのもよいきっかけです。
また、自分自身の終活も同時に始めることで、「親子で一緒に準備している」という安心感が生まれます。
こうした習慣は、情報整理にとどまらず、“家族の心の支え”にもなります。
終活とは、「誰かのために」ではなく、「お互いが穏やかに生きるための準備」。
介護を前向きに捉えられる家庭ほど、後悔のない選択をしやすい傾向があります。
親子で定期的に話し合い、終活を生活の一部にする——。
それが、これからの時代に必要な“新しい家族のかたち”といえるでしょう。
親との会話が“介護終活”の第一歩
介護や終活の準備は、書類や制度を整えることよりも「会話」から始まります。
どれほど綿密なチェックリストを作っても、親の気持ちや希望を聞かずに進めてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
特に40代・50代の世代にとっては親と将来の話をするのは勇気のいることです。
しかし、話を避け続けてしまうと、いざという時に判断できず、家族の間で意見の違いが生まれる原因になります。
だからこそ、親と話す時間そのものが“介護終活の第一歩”なのです。
ここでは、話しにくいテーマを自然に切り出す方法や、会話を進めるための質問例、そして親の気持ちを尊重しながら話すコツを紹介します。
どれも難しい準備ではありません。少しの工夫とタイミングで、親子の対話はスムーズに進みます。
話しにくいテーマほど早めに切り出すのがポイント
「介護」「老後」「終活」といった言葉は、どうしても重く感じられるものです。
親の立場からすれば、「もう介護の話?」と受け止められてしまうこともあるかもしれません。
しかし、だからといって話題を避け続けてしまうと、本当に必要な時には話せないという状況に陥ります。
実際、介護が始まってから慌てて情報を集める人は多く、厚生労働省の調査でも「介護準備をしていなかった」と回答した人は6割を超えています。
多くの人が「もっと早く話しておけばよかった」と感じているのです。
話を切り出すときは、「老後のことを考えているんだけど」「最近ニュースで介護の話を見たよ」など、
きっかけを“自分ごと”として話すのが自然です。
「親のことを心配している」というよりも、「家族で安心して暮らすために」と伝えると、親も受け入れやすくなります。
40代・50代のうちは、まだ親が元気な場合が多く、「介護なんてまだ早い」と感じがちです。
しかし、話しにくいテーマこそ早めに話すことが、家族の安心につながる終活なのです。
「もしもの時」を想定した質問リストを用意する
「何から聞けばいいのか分からない」と悩む人は少なくありません。
そんなときに役立つのが、事前に用意しておく“質問リスト”です。
目的は、親を詰問することではなく、「親の考えや希望を知ること」。
会話のきっかけとしてリストを使うことで、自然に深い話へとつなげることができます。
たとえば、以下のような質問から始めるのが効果的です。
- もし介護が必要になったら、自宅と施設どちらが安心?
- 延命治療や医療について、どう考えている?
- 家の中で不便なところや気になる場所はある?
- 財産や貯金の管理で困っていることは?
- 緊急時に連絡してほしい人は誰?
こうした質問は、「将来に備えるため」という前向きな理由を添えて尋ねるのがポイントです。
また、親の回答をメモしておくと、後から兄弟や家族で共有しやすくなります。
この質問リストは、一度作って終わりではなく、年齢や状況の変化に合わせて更新していくことが大切です。
介護と終活は、時間をかけて育てていく家族の“会話の記録”でもあるのです。
親の気持ちを尊重しながら話し合うコツ
介護や終活について話し合うとき、最も大切なのは「親の気持ちを尊重する姿勢」です。
どれだけ正しい情報を伝えても、上から目線で「こうしたほうがいい」と言ってしまうと、親は「まだ自分のことを決められる」と感じ、反発心を持ってしまうことがあります。
話すときは、まず親の言葉を最後まで聞き、「そう思うんだね」「その気持ち分かるよ」と共感を示すことから始めましょう。
それだけで、相手は「話を聞いてもらえた」と感じ、安心して本音を話してくれるようになります。
また、「正解を出す」よりも「お互いの考えを共有する」ことを目指すのがコツです。
介護や終活には明確な答えがないからこそ、対話を重ねながら折り合いを見つけていくことが重要です。
時には意見が違うこともあるかもしれません。
しかし、その違いを恐れずに話し合うことが、家族の信頼関係を強くします。
40代・50代の世代が中心となって、親の思いを受け止めながら少しずつ形にしていく。
それが、これからの“介護終活”の理想的な進め方です。
家族で共有すべき介護情報と終活ノートの活用法
どんなに丁寧に話し合いをしても、情報を「共有」しておかなければ、実際の介護現場では混乱が起こりやすくなります。
特に介護は、兄弟・家族・医療機関・行政など、多くの関係者が関わるため、「誰が何を知っていて、どこに何があるのか」が明確になっていないと、必要な判断が遅れてしまうこともあります。
そんなときに役立つのが「終活ノート」や「エンディングノート」です。
これらは単に“遺言のようなもの”ではなく、介護や医療の方針、家族へのメッセージなどを整理する“生前の安心設計書”として使うことができます。
ここでは、エンディングノートに書いておくべき介護関連項目や、家族で情報を共有する方法、そして定期的な見直しで迷わない介護を実現するコツを紹介します。
40代・50代のうちから少しずつ整えておくことで、家族全員の心の負担を軽くすることができます。
エンディングノートに記しておきたい介護関連項目
エンディングノートは、いわば“人生の整理帳”です。
遺言のように法的拘束力はありませんが、家族が迷わず判断できるための重要な記録になります。
特に介護に関する部分は、早い段階から記入しておくことをおすすめします。
たとえば以下のような内容を中心にまとめておくとよいでしょう。
- かかりつけ医や通院先、服薬内容
- 介護が必要になったときの希望(在宅か施設か)
- 延命治療や医療行為に対する考え方
- 介護保険証・年金手帳・保険証券などの保管場所
- 緊急連絡先・親族や友人の連絡リスト
- 家の鍵や貴重品の管理方法
これらを記しておくことで、家族が慌てずに手続きを進められるだけでなく、「本人の意思を尊重する介護」が可能になります。
40代・50代の世代であれば、親だけでなく自分の分も同時に書き進めておくのも良い方法です。
「親子でエンディングノートを書く」という行為そのものが、自然な形で終活と介護を考えるきっかけになるでしょう。
家族でアクセスできる情報整理の仕組みをつくる
情報は「書くだけ」で終わらせず、家族が共有・アクセスできる仕組みを整えることが大切です。
親の介護では、兄弟間や離れて暮らす家族が関わるケースも多く、
誰か一人しか情報を知らない状態は、後のトラブルにつながるおそれがあります。
そのため、エンディングノートの内容や医療・介護関連のデータを、
家族がアクセスできる場所に整理しておくと安心です。
紙のノートを共有してもよいですが、近年ではクラウドストレージやLINEグループなどを使う家庭も増えています。
たとえば、
・Googleドライブに介護保険証や医療情報を保存する
・LINEノートで通院予定や体調の変化を共有する
・クラウド家計簿アプリで介護費用の記録を管理する
といった方法を組み合わせると、誰でも最新情報を確認できる環境が整います。
もちろんデジタルに不安がある場合は、紙とデータの両方を併用すればOKです。
重要なのは、家族の誰かが倒れても「情報がどこにあるか」がすぐに分かる状態をつくること。
これが、介護の混乱を防ぐ“見えない安全策”になるのです。
定期的な見直しで“迷わない介護”を実現する
エンディングノートや介護情報は、一度書いて終わりではありません。
年齢を重ねるごとに、健康状態・住環境・経済状況は少しずつ変化していきます。
だからこそ、「定期的に見直す」ことこそが終活の本質です。
おすすめなのは、年に1回、誕生日やお正月など家族が集まりやすい時期に「情報の見直し会」を行うこと。
親の体調や希望に変化がないか、書類の更新はできているかを確認し合うだけでも大きな意味があります。
また、介護や終活の情報を定期的に見直すことは、家族の“心の準備”にもつながります。
「いざというとき」に慌てることなく、「次に何をすればいいか」が自然と見えてくるのです。
40代・50代のうちからこの習慣をつくっておけば、将来の親の介護だけでなく、自分自身の備えにも役立ちます。
終活とは、人生を整える“やさしいメンテナンス”。
小さな積み重ねが、迷わない介護・後悔のない選択を実現する力になります。
いかがだったでしょうか。
介護について「こうすべき」という正解はありませんが、「こうはなりたくない」という未来を対策によって事前に防ぐことはできます。
早い準備に越したことはないので、ぜひ一歩でも前に進めていただければ幸いです。

