皆さんこんにちは。よりねこ編集部です。
前回はおひとり様についての相続について解説をしました。
本日は「おひとり様の終活」を進める上で絶対に知ってもらいたい「idecoにおける資産運用についての考え方」について解説をしていきます。
- まだidecoで資産運用をしていない方
- ご年齢が40歳後半~50歳前後の方で資産運用についてまだ興味が沸いていない方
- おひとり様で老後に向けた資産運用を始めたいと考えている方
老後資金づくりに「iDeCoだけで大丈夫?」と感じる理由
おひとり様が将来の備えを考えるとき、多くの方がまず気になるのは「老後資金をどう積み立てるか」という点です。
特に国の制度であるiDeCoは節税効果も期待できるため、魅力的に感じられることが多い一方、「毎月数万円の積み立てで本当に足りるのだろうか」と不安を抱く方も少なくありません。
終活を意識し始める年代になると、老後資金の確保が“将来の安心”に直結するため、制度のメリットだけでなく、向き・不向きを冷静に捉える必要が出てきます。
ここからは、おひとり様がiDeCoだけに頼ることへ不安を抱く理由を丁寧に見ていきます。
おひとり様の老後資金は銀行預金だけでは難しく資産運用を検討する方も
おひとり様の老後資金は、現代の生活環境を踏まえると銀行預金だけでは対応が難しい場面があると指摘されています。
総務省の家計調査では、高齢単身世帯の平均支出は月15万円前後と報告されていますが、年金収入はその水準を下回る傾向があり、生活費を補う資産が必要になるケースがあります。
特に、物価上昇により支出が以前より増えているという声も多く聞かれます。
また、おひとり様の場合は「費用を分担する家族がいないこと」が響き、医療費や介護費が想定より大きな負担になることも考えられています。
銀行預金は安全性が高い一方で増えづらく、老後30年を見据えるとインフレに追いつかない可能性もあります。
そのため、iDeCoのように資産を育てる仕組みを取り入れる方が増えているものの、それでも「預金だけでは心細い」という感覚が不安を招きやすい背景になっています。
こうした声は終活相談でもよく耳にする内容であり、老後の資金を確保するために資産運用を多面的に検討する必要性を感じる方が増えていると考えられています。
iDeCoは活用したいが万能ではない制度とまず知るべき
iDeCoは老後資金を効率よく増やすために魅力的な制度ですが、万能というわけではありません。
節税効果や非課税運用という強みがある一方、「60歳までは引き出せない」という大きな制約があり、これが“頼り切るのは心配”という声につながりやすくなっています。
また、投資商品を選ぶ仕組みのため、元本割れリスクがゼロではない点も理解しておく必要があります。
さらに、掛金の上限は職業や加入状況によって異なり、思った以上に多く積み立てられない方もいます。
特に自営業やフリーランスの方は多くの金額を積み立てられる反面、収入が変動するため、無理なく継続できるかどうかという視点が欠かせません。
こうした制度上の特徴を知らないまま始めてしまうと、途中で「思っていたのと違う」と感じることがあります。
終活の中で老後のお金を考える際は、iDeCoだけに偏らず、自分のライフスタイルや資産全体のバランスを丁寧に見ていく姿勢が必要だとされています。
終活視点で見ると老後資金はidecoだけでは不十分
終活では生活費だけでなく、住まい、医療、介護、デジタル資産の管理など、人生後半で必要になるお金が多岐にわたるためです。iDeCoは“年金の補完”としてとても優秀な制度ですが、緊急時にすぐ使えるお金としては機能しません。
というのも、終活の中で大きな課題となるのが「備えの柔軟性」です。
例えば急な入院費、身の回りの整理費用、住まいの契約変更など、想定外の支出が必要になる場面は珍しくありません。
こういった支出は60歳前でも発生する可能性があるため、iDeCoだけでは対応しきれない側面があります。
そのため、終活ではiDeCoを軸にしながらも、NISAや預貯金、保険などを組み合わせた“複数の選択肢をもつ資産設計”が望ましいとされています。
老後資金の準備は一つの制度だけに依存するのではなく、幅をもたせた設計が安心につながるという考え方が広がっています。
iDeCoが将来に向けた資産運用に向いている理由
おひとり様においても資産運用を考えるとき、iDeCoはとても有力な選択肢のひとつとされています。
終活の相談を受けていると「idecoって本当に効果があるのか」「老後資金にちゃんと役立つのか」といった疑問を抱かれる方も多いのですが、制度の特徴を理解するとそのメリットの大きさが見えやすくなります。
特に、長期間コツコツと積み立てることが可能な方にとっては、税制面の優遇を活かしながら効率的に準備を進められるという点が魅力のひとつです。
ここでは、iDeCoが老後資金の形成に向いていると考えられている理由を丁寧に整理していきます。
1.掛金全額が所得控除され、節税メリットが大きい
iDeCoの最大ともいえる特徴は、掛金が全額所得控除される点です。
これは老後資金を積み立てながら、同時に税負担を減らす効果が期待できる仕組みで、特におひとり様含めた現役世代にとって大きな支えになります。
所得控除とは支払った掛金の分だけ課税対象の所得が少なくなる制度であり、給与所得者(会社員)であっても、個人事業主であっても恩恵を受けられます。
例えば年収400万円前後の方が年間24万円(月2万円)を積み立てる場合、住民税と所得税の負担軽減により年間4〜5万円程度の節税になるケースもあります。
積み立て額や所得により差はありますが、資産運用をしながら老後資金が増えるという仕組みは、将来に不安を抱えやすいおひとり様にとって心強い要素といえます。
終活の相談でも「税金を抑えられるなら積み立てが続けやすくなる」という声は多く、家計を無理なく整えながら将来へ備えたい方にとってiDeCoの節税メリットは非常に活用しやすいと考えられています。
2.運用益も非課税で長期運用と相性が抜群
iDeCoのもう一つの大きな魅力が、運用益が非課税になるという点です。
通常、投資信託や株式などで得た利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCo内で資産を運用した場合は税金がかからず、そのまま老後資金として積み上げることができます。
この仕組みが特に力を発揮するのは“長期運用”です。積み立てた資金が複利で増えていくと、運用益がそのまま再投資に回り、効率よく資産が育つ可能性があります。
例えば、利回り3%で20年間積み立てた場合、非課税か課税されるかで30万円~50万円以上の最終差が出るケースも指摘されています。
おひとり様が終活を見据えて老後資金を考える際、できるだけ効率的に資産を育てたいと感じる方は増えています。
運用益非課税という制度は、その希望に寄り添う仕組みであると言えます。
もちろん運用には価格変動リスクが伴いますが、iDeCoは長期分散投資との相性が良く、安定してコツコツ育てる老後資金づくりに適しているとされています。
3.企業でideco加入ができる方はぜひ入るべき(特に2026年以降の改定では非常に有利に)
企業に勤めている方で、会社がiDeCo(企業型DC)の加入を認めている場合は、制度のメリットを最大限使える可能性があります。
2026年以降の制度改定では加入可能年齢の拡大に加えて、受取開始年齢が柔軟になる方向で議論が進んでおり、長く働く方ほど活用の幅が広がりやすくなります。
具体的には2026年の改定でで70歳になるまで加入が可能になったことで、60歳以上70歳未満の方で運用指図者となっていた人も、70歳まで積立(拠出)を続けることができるようになります。つまり50歳前後からでもidecoを始めやすくなるということになります。
加えて企業型DC(企業型確定拠出年金)での積み立て上限金額も見直しがされて、より多くの節税効果が期待できます。
これにより、おひとり様が老後資金を積み増す選択肢が広がる可能性があります。
終活の中で「働けるうちは働きたい」と考える方は増えていますが、そういった方にとって制度改定後のiDeCoは相性が良いと考えられています。
企業で加入できる環境がある場合、節税効果や運用益非課税の恩恵に加え、手続きが比較的スムーズに進む点も魅力です。
「自分は加入できるのか」「会社の規程でどこまで選択できるのか」といった疑問は事前に確認しておくと、不安が和らぎやすくなります。
反対にiDeCoがおひとり様に不向きとなる例
iDeCoは老後資金づくりと相性の良い制度とされていますが、終活を進める中で「必ずしも万人向けではない」と感じられることもあります。
人によっては生活面や働き方、収入の不安定さなどから、制度の仕組みと相性が合わないケースもあります。
特にiDeCoは60歳まで原則引き出しができないという特徴があるため、そこが安心につながる方もいれば、かえって不安につながる方もいます。
ここでは、老後資金の資産運用を考える際に「自分には向かないかもしれない」と感じやすい3つの状況を整理し、iDeCoの“弱点”ともいえるポイントに触れていきます。
終活を踏まえて最適な制度を選ぶためにも、メリットとあわせて不向きになり得るケースを知っておくことは大切です。
急な出費が必要となりそうな方
iDeCoが不向きとなる理由の1つは「60歳まで引き出せない」という制約です。
この仕組みは老後資金を確実に守るうえでは大きなメリットとなる一方、急な出費に対応しづらいという側面があり、おひとり様の生活においては注意が必要とされています。
例えば、考えられるケースとしておひとり様は病気やケガのときに頼れる家族が近くにいないケースが多く、医療費や入院時の諸費用などが急に必要になる場合があります。
終活相談の中でも「突然の入院で思った以上に費用がかかった」「家電が同時に故障して出費が重なった」といった声は少なくありません。
こうした予期せぬ支出に備えるための“流動性の高い資金”がないと、iDeCoの積立が心理的負担になってしまうこともあります。
老後資金づくりとしてiDeCoが頼もしい仕組みである一方、短期的な出費に備える貯金やNISAなどの別の積立と組み合わせることで、よりバランスの良い準備ができるとされています。
「急な出費が重なる生活スタイルかもしれない」と感じる方は積立額を抑えるなど柔軟に調整する余地を確保しておくと安心です。
掛金に余裕がない方
iDeCoは毎月決まった額をコツコツ積み立てる仕組みのため、掛金に余裕がない方には“負担に感じやすい”という側面があります。
終活を進めている方やおひとり様の相談でも「固定費が増えると生活のゆとりがなくなる」「積立額を決めたものの継続できるか不安」という声は珍しくありません。
家計の状況が安定していないと、毎月の掛金が心理的な圧迫になる可能性があります。
またiDeCoは一度始めると原則途中で引き出しできないため、万が一収入が減った場合の調整が難しい側面があります。
掛金の変更は可能ですが、収入が変動しやすい方にとっては判断が難しく感じられることがあります。
老後資金づくりにはiDeCoが頼もしい制度であることは間違いありませんが、生活費に余裕がない時期に無理に積み立てると、かえってストレスにつながるケースもあります。
もし掛金に余裕がないと感じる場合は、まずは少額で始める、あるいはNISAなど流動性のある制度からスタートするなど“負担の少ない選択肢”を検討することが望ましいとされています。
終活では「続けられる仕組み」を作ることが非常に大切です。
自営業・フリーランスの場合(積立額の判断が難しくなる)
自営業やフリーランスの方は、収入が安定しないケースもあるため、iDeCoの積立額の判断が難しくなることがあります。
おひとり様で自営の方は特に、収入の波が大きく「うまく積み立てられる年」と「厳しい年」の差が大きい傾向にあります。
このため、老後資金づくりとして積み立てたい気持ちはあっても、固定的に掛金を支払うことがプレッシャーになるケースがあります。
また、自営業の場合は国民年金基金や小規模企業共済など、iDeCo以外にも老後資金を形成できる制度が複数存在するため、それらとの組み合わせを検討する必要があります。
「何をどれだけ積み立てたらいいのか」「優先順位はどれか」と迷う方も多く、終活相談でもよく話題になります。
収入が安定しない方にとっては、iDeCoが不向きとなる時期もあるため、まずは生活防衛資金を確保し、その後余力の範囲で少額から積み立てるといった柔軟な判断が大切です。
iDeCoは長期運用との相性が良い反面、毎月の掛金が負担に感じられると継続が難しくなるため、自営業の方は特に“無理のない範囲での準備”が重要とされています。
資産運用はiDeCoだけに頼らないほうがいい理由
iDeCoは老後資金を積み立てるうえで大きなメリットがある制度ですが、終活の視点を踏まえると「これだけに頼るのは少し不安が残る」という考え方もあります。
特におひとり様は将来の収入源や生活の変化を自分で支える必要があり、老後資金の準備には柔軟性が求められるからです。
iDeCoは節税効果が高い一方で、60歳まで原則引き出せない制約があるため、いざという時に使える資金が少なくなる可能性があります。
また2026年以降の制度改定によって、場合によっては以前より税制優遇の恩恵が小さくなる人が出るともいわれています。こうした背景を踏まえながら、「iDeCoに頼りすぎない」という考え方を前向きな終活の一部として捉えていきます。
老後の生活費にはidecoを含めて「複数の収入源」が必要(60歳までは原則取り出せない)
老後資金の準備にiDeCoはとても心強い制度ですが、終活の観点で見ると“1本だけに依存する”のは少し慎重に考えた方が良いとされています。
その理由の一つが、老後資金は長期にわたって必要となり、しかも支出は年によって増減するため、複数の収入源を持つことが望ましいと考えられているからです。
iDeCoは節税効果を得ながらコツコツ積み立てられる反面、原則60歳までは引き出せません。この仕組みは計画的に資産を守るという意味では非常に優れていますが、おひとり様の生活では突然の支出や働き方の変化が生じるケースも多く、その際に使える資金が限られる可能性があります。
また、総務省の家計調査によると高齢単身者の平均支出は月約16万円前後とされており、年金収入だけでは不足が生じるケースもあります。
こうした背景から、iDeCoだけでなく、NISAや金銭信託、定期預金など柔軟に引き出せる資金を持っておくことが将来の安心につながると考えられています。
老後資金という長期のテーマだからこそ、複数の柱を持つことが終活の中で大切な視点といえます。
NISA・預貯金・保険・副業等と組み合わせてバランスをとる
老後資金の準備を考える際、おひとり様にとっては「どの制度が良いか」よりも「どう組み合わせるか」が重要になります。
iDeCoは魅力的な制度ですが、万能ではありません。終活の中では、資産を複数の形で分散しておくことが心の余裕にもつながるといわれています。
例えば、NISAはいつでも売却できるため、急な支出に対応しやすいという特徴があります。
預貯金は値動きリスクがなく、短期の生活防衛に向いています。保険は医療や介護費用に備える役割があり、副業収入は将来の年金受取額を補う可能性があります。
このようにそれぞれの特徴を理解して複数の手段を組み合わせることで、「積み立てる資産」「守る資産」「いつでも使える資産」をバランスよく持つことができます。
終活は人生を整える作業でもあるため、老後資金を多角的に資産運用しておくことで、未来の自分を支える“柔らかいクッション”をたくさん作るイメージを持つと安心感が広がります。
終活の観点では流動性の高い資産も検討
終活では「必要なときに使えるお金」が重要な役割を果たします。
iDeCoは老後資金を蓄える仕組みである一方、おひとり様の生活では予期せぬ支出が発生した場面で使えないという点が課題になる可能性があります。
このため、流動性の高い資産──つまり、必要に応じて引き出したり換金できたりする資産を一定割合持っておくことが大切とされています。
繰り返しにはなりますが、一定額の預貯金や定期預金(途中解約できるもの)、NISAの売却可能な投資信託、短期債などは流動性が高いため、医療費や住まいの修繕費など突発的な支出にも対応できます。
また、終活においては財産の整理や手続きが発生するため、手元に一定の現金を残しておくことで、周囲に負担をかけずに手続きを進めやすくなるという側面もあります。
(一方で現金は貯めておいても増えてはいかないので、投資に回すことを基本とした方が良い場合もあります)
iDeCoは老後のための“長期資産”、一方で流動性の高い資産は“いつでも使える安心資産”として、役割が異なります。この2つのバランスを整えることが、終活と老後資金づくりを両立させる鍵とされています。
2026年以降の改定で節税効果が薄れる方もいる(解説:idecoの節税効果の高い受け取り方)
2026年・2027年にかけてiDeCoの制度改定が予定されており、特に受取時の税制が段階的に見直されるとされています。これにより、人によっては「以前より節税メリットを受けにくくなる」可能性があります。
例えば、退職所得控除や公的年金控除の見直しによって、受取額が大きい人は控除枠の影響を受けやすくなると考えられています。
idecoには受け取り方が3種類あります。
- 一時金として受け取る
- 年金として受け取る
- 一時金+年金として受け取る
主には上記の3つです。
1.一時金として受け取る場合(idecoの5年ルールから10年ルールへ)
まず一つ目の「一時金としてidecoを受け取る」についてです。該当する方は60歳以降になった時に会社の退職金と合わせて受け取る可能性がある方になります。
深く解説していますが、ここでお伝えしたいことはidecoを一時金として退職金やほかの公的年金と一緒に受け取ると節税効果が薄れるということです。
まずはこの結論だけ覚えていただければ大丈夫です。以降は詳細な解説になります。
idecoを一時金として受け取る、つまり65歳の定年を迎えると同時にこれまで積み立てた金額を受け取る場合は雑所得になるため会社勤めの人で退職金をいくら受け取るかによって課税額が異なります。
idecoって非課税なのが特徴なのでは?と思う方も多いと思いますがここには5年ルールという落とし穴があります。
5年ルールとはidecoを含めて2か所以上から退職金(所得)を受け取る場合、idecoも退職金の一部としてみなされて、課税対象になるといういやらしいルールです。
例えば、65歳で退職と同時に退職金と iDeCo を一時金で受け取ると両方に税金がかかり節税のメリットが減ってしまうというものです。
これが2026年以降に「5年」から「10年」に拡大されるというものです。
つまり65歳で退職して退職金を受け取った場合、そこから10年間の間にidecoを一時金として受け取ると課税されるということです。
さらに、企業型DCとの併用が広がることで、掛金の上限管理が必要になるケースも増える見込みです。こうした制度変更は、特に安定収入があるおひとり様ほど影響が出やすい可能性があります。
受け取る流れとして退職金を受け取りその後idecoを受け取る20年ルールというものもあり、退職金を受け取った後にidecoを一時金として受け取るという流れを取った場合、退職金を受け取ってから20年間idecoを一時金として受け取ってしまったらこれも課税対象ということです。
ここまで読んでくださった方はおそらく「え、idecoって節税効果ないじゃん」「そんな老後に受け取るお金で元本保証もないのにこんな国の制度使いたくないわ」など思われる方もいるでしょう。そこで2つ目のidecoの受け取り方についてです。
2.年金として受け取る
idecoを受け取る場合、節税効果が一時金受け取りと比べて高いのがこの年金受け取りです。
年金としてidecoを受け取る、つまり年金と合わせて積み立てた額の一部を少しずつ受け取る形式です。一時金と異なり一回で受け取れる金額は少なくなりますが、「公的年金等控除 + 基礎控除」の非課税枠を活用できるので、課税される額が減るし、場合によっては課税が0円のこともあります。
たとえば65歳未満でiDeCoの受給額が60万円未満だった場合、雑所得は0円となり所得税はかかりません。
なので、この年金として受け取る形式であれば退職金との兼ね合いで控除の調整を気にしすぎる必要が少ないです。
3.一時金+年金として受け取る
3つ目は組み合わせです。一時金として受け取ることと、年金として受け取ることのハイブリッドで、まとまったお金も欲しいし、定期的に入ってくるお金も欲しいという方に向いていて、こちらも一定程度の節税効果が見込めます。
メリットとしては一部を一時金で受け取り、残りを年金で受け取ることで「まとまった資金」と「分割での控除活用」のバランスがとれることです。
いずれにしても終活の中では制度変更に左右されすぎず、自分に必要な老後資金をどのように確保するかという“本質”を見極めることが大切です。
2026年以降の変化を踏まえたうえで、iDeCo以外の選択肢も持っておきつつ資産運用をすることで、より柔軟な人生設計が可能になります。
iDeCoの2026年・2027年の制度改正で何が変わるのか
iDeCoは2026年・2027年にかけて制度が大きく見直される方向で議論が進んでおり、おひとり様も含めて老後資金や終活を考える際に影響が大きいとされています。
これまで「加入期間の制限」「受け取り方の制限」がネックになっていた方にとっては、より柔軟な制度として利用しやすくなる可能性があります。
一方で、一部では控除の扱いなどが変わる見込みもあり人によってはiDeCoのメリットが以前より小さくなるケースも考えられています。
終活の準備と老後資金の形成は長期的な視点が重要になるため、制度改正の方向性を知っておくことは、今後の人生設計にじっくり向き合うきっかけにもつながります。
受取開始年齢・受取期間の柔軟化が進む見込み
先ほども軽く解説をしましたが、改めてお伝えすると現在のiDeCoは受け取り開始年齢が60〜70歳の範囲で設定されていますが、2026年以降は60〜75歳となり、5年間の延長が改定されます。
このため、受け取るタイミングをご自身で調整しやすくなりました。
老後資金の受け取りを「いつ始めるか」「どの期間にわけて受け取るか」をより細かく調整できるようになることで、生活状況や健康状態に合わせた資金管理が行いやすくなる可能性があります。
またおひとり様の場合、使い道を相談できる家族が近くにいないケースも多く、受取の自由度が高まることで安心につながるという声もあります。
終活を意識した場合にも、受取時期を調整しながら介護のタイミングや住み替え費用の支払いに合わせるなど、より柔軟な計画が立てやすくなると考えられています。
加入可能年齢の拡大で「40代・50代の追い上げ」に有利(60歳以降も加入可能)
2026年の大きな改定ポイントの2つ目はiDeCoの加入可能年齢が実質的に拡大される予定である点です。
現行制度ではidecoは通算加入者等期間が10年以上必要のため以前は50歳になるまでに始めなければいけなかったのが、2026年以降は受け取り期間が延長された影響で60歳を過ぎていても始めることができるようになりました。
加入は原則65歳までとされていますが、2026年以降は60歳を超えても継続加入ができる方向で調整が進んでいます。これにより、特に70歳前後まで就労を続ける方が増えている昨今、「働きながら追加で老後資金を積み立てる」という選択肢が広がる可能性があります。
これは40代・50代のおひとり様にとって非常に大きなチャンスといえます。なぜなら、これまで「今から始めても遅いのでは」と感じていた方でも、加入期間を延ばせることで将来に向けた資産運用の選択肢が広がるからです。
終活において老後資金を整えることは重要な柱の一つであり、iDeCoの加入年齢拡大はその準備期間を後押しするものと考えられています。
また、掛金の上限や企業型DC(企業型確定拠出年金)との併用など、働き方に応じた柔軟な積立がしやすくなる見込みがあり、これまで参加しづらかった層にとっても活用しやすい制度へ近づいているともいわれています。iDeCoは老後資金を作る有力な手段であり、制度の変化は終活の流れにも影響しやすいポイントです。
制度拡大により“iDeCoの役割”はさらに大きくなる
制度改正によって加入機会の延長や受取方法の柔軟化が進むことで、iDeCoは今後さらに存在感のある制度へと変わっていくと見込まれています。
特に、人口構造の変化や単身世帯の増加が続く中で、「自分の老後資金は自分で準備する」意識が高まっていることも背景にあります。
終活では、資産の整理や生活設計を見据えながら準備を進めることが重視されますが、その中でiDeCoは“長期で積み上げる安心の柱”として活用できる側面があります。預貯金だけに頼らず、NISAと併用しながら分散した資産形成を行うことで、おひとり様が将来のリスクに備えやすくなるという考え方も広がっています。
おひとり様が実践すべき「iDeCo×終活」の賢い組み合わせ資産運用術
おひとり様の老後資金づくりでは、iDeCoだけを単独で利用するより、終活全体の流れの中で「どう組み合わせるか」が安心につながるとされています。
特に老後資金は、長期で貯める資産と、必要なときに使える資産を分けて考えることで、生活のゆとりや突発的な出費への対応がしやすくなるといわれています。
終活を進める際には、iDeCo・NISA・保険などをそれぞれの役割に合わせて配置していくと、将来への備えが丁寧に整理されていきます。ここからは、おひとり様が終活目線で取り入れやすい「iDeCo×ほかの資産」の賢い活用法について紹介します。
iDeCoは“年金補完”、NISAは“流動資金”として使い分け
iDeCoは「60歳まで原則引き出せない」という特徴があり、この点が老後資金づくりには適している一方、“急に使いたい”という場面には向いていない制度とされています。
そこで終活を意識するおひとり様にとって重要になるのが、iDeCoとNISAを役割に応じて分けて活用するという考え方です。
iDeCoは、老後資金(年金の上乗せ分)として長期的に積み上げる“動かさない資産”。節税効果や2026年以降の加入可能年齢の拡大など、長期運用との相性が良く、将来の生活の土台になる資金を育てるのに向いています。
一方でNISA(つみたて・新NISA)は、必要に応じて途中で売却できる“流動資金”。例えば、病気・転居など突発的な支出が発生しやすいおひとり様にとって、引き出しやすい資産を持っておくことは終活の安心にもつながります。
このように、iDeCoで老後資金の安定を作りつつ、NISAで“いつでも使える余力”を確保しておくことで、未来の不安が少し軽くなるケースがあります。
また、両方の運用状況を毎年振り返ることで「何歳までに使いたい資金」と「長期で育てる資金」の区別が自然とついてくるため、終活における財産管理の整理にも結びつきやすくなります。
デジタル終活でiDeCo・NISA・保険をまとめて管理
おひとり様が老後資金を管理する際、特に大きな課題として挙げられるのが「金融資産の全体像を把握しづらい」という点です。
複数の金融機関で口座を持っている方も多く、加えてiDeCo・NISA・生命保険などが散在していると、どこに何があるのか自分でも分からなくなるケースがあります。
その状態を解消するために役立つのが“デジタル終活”の考え方です。
デジタル終活とはスマホやパソコンに残る情報や、オンラインで管理している資産を整理し、一覧化する取り組みのことを指します。最近では、資産を一括把握できる家計管理アプリや、証券会社の自動連携機能なども充実しており、iDeCoとNISAを同時に可視化することも容易になっています。
終活という観点では「もし自分が動けなくなった時、手続きをしてくれる人が困らない状態を作る」ことが大切であり、おひとり様の場合はなおさら重要です。
iDeCoは老後資金、NISAは流動資金、保険は万が一の備えとして、それぞれの役割を整理しながらデジタルでまとめて管理することで、人生の後半を安心して迎える準備ができるとされています。
エンディングノートに「金融資産一覧」を残す重要性
どれだけ丁寧に資産を作り、整えていたとしても、それを“どこに何があるか分かりやすく残すこと”ができなければ、終活の安心にはつながりません。そこで役立つのがエンディングノートです。
エンディングノートは法的な効力こそありませんが、iDeCo・NISA・保険・預貯金・デジタル資産などの所在を記載することで、“自分の人生の設計図”を残すことができます。
おひとり様の場合は特に、身近に頼れる人が少ないからこそ、資産の所在を明確にしておくことは「自分の未来を守る行為」として重要だと考えられています。
記載する内容は難しくなく、金融機関名・口座種類・連絡先・おおよその残高など、大まかでも構いません。
特にiDeCoについては、老後資金の中でも“受け取る時期・方法”を自分で決める必要があるため、受取予定の年代や想定用途を書いておくと後の自分が迷わなくて済みます。
終活の目的は「残すための作業」ではなく、「未来の自分を少しでも楽にする」ことです。金融資産の一覧をエンディングノートにまとめることで、今の自分も安心し、将来の自分も助けることにつながります。
idecoで資産運用をして終活を円滑に進める
iDeCoは老後資金づくりに役立つ制度ですが、それだけで安心が完成するわけではなく、終活全体の流れの中で“どう生かすか”がとても大切だと考えられています。
特におひとり様の場合、老後生活を支える仕組みや資産を一つに依存しないことが、長い人生をより柔らかく支えてくれる可能性があります。
ここでは、iDeCoを軸にしながらも、終活をより進めやすくするための考え方を紹介していきます。老後資金の準備・資産の使い分け・制度の理解を整えていくことで、未来の不安が少しずつほぐれていくという声も多く聞かれています。
おひとり様こそ、老後資金は複数の手段(NISA・保険など)で分散を
おひとり様の老後資金づくりにおいて、iDeCoはとても魅力的な制度ですが、1つの制度に依存しすぎると、将来の暮らしに柔軟性を持たせにくくなるという側面があります。そこで大切になるのが“分散”という考え方です。
繰り返しになりますがiDeCoは60歳まで原則引き出せないため、長期で育てる資産として役に立ちますが、突発的な出費に対応しにくいという制約があります。
一方、NISA(新NISA・つみたてNISA)は基本的にいつでも売却でき、病気・転職・転居などの急な支出に備える“流動資金”として活用しやすいとされています。終活を進めるうえで、使える資産と使わない資産を分けておくことは、老後の安心感につながりやすいといわれています。
また、生命保険や医療保険は、万一の際にまとまった資金を受け取れる仕組みがあるため、老後資金の中の“備え”の部分を補ってくれます。
iDeCoは資産形成、NISAは生活のゆとり、保険はリスク対策というように、それぞれを“役割ごとに分散する”感覚を持つことで、無理のない終活が進めやすくなります。
こうした組み合わせを考えるとき、いきなり完璧な形を目指す必要はありません。
少しずつ使い分けを整えて、自分の暮らしに合った老後資金の形を見つけていけば問題ありません。iDeCoを中心にしながらも複数の手段を並行して使うことが、おひとり様の終活において負担の少ない選択肢になるケースがあります。
制度のメリット・制約を理解すればより自分に合った準備ができる
iDeCoを使いこなすうえで欠かせないのが、「制度のメリットと制約を理解する」という視点です。iDeCoは節税効果が高く、長期運用にも向いている一方、60歳までお金を引き出せない、運用商品の選び方によって増減が発生する、といった特徴があります。
特に2026年以降は、加入可能年齢が広がることで、40代や50代でも“追い上げの積立”がしやすくなるとされています。しかし、加入できる期間が延びたとしても、今後の働き方や家計の状況によって積立額の調整が必要になるケースもあります。
そのため、制度のメリットだけでなく制約も理解しておくことが、無理のない終活につながります。
また、iDeCoは受け取り方によって税金が変わる仕組みがあり、「年金として受け取る」「一時金として受け取る」など複数のパターンがあります。終活という観点では、どのタイミングで受け取ると生活が安定しやすいか、ほかの資産とどうバランスを取るかという点も考えておくと安心です。
制度を丁寧に理解しておくことで、iDeCoが「難しい制度」ではなく「未来を育てるツール」として扱いやすくなり、おひとり様でも自分に合った準備を進めやすくなると考えられています。
今日からの見直しが、将来の不安を減らす
iDeCoを終活に組み込む際に大切なのは、「今日の小さな見直しが、将来の安心につながる」という考え方です。老後資金は、一度設定して終わりではなく、年齢・収入・働き方の変化に合わせて少しずつ調整していくことが望ましいとされています。
例えば、積立額を無理のない範囲で増やしてみる、運用商品のバランスを整える、NISAや預貯金との割合を見直す、といった小さな改善を積み重ねるだけでも、長期的には大きな差につながる可能性があります。終活においても、“完璧を目指さず今日できることから進める”という姿勢が、老後の不安を和らげてくれる場合があります。
また、おひとり様の場合は、自分だけで判断する場面が多くなるため、定期的に家計アプリや資産一覧を見返す習慣をつくることで、iDeCoやNISAの管理もしやすくなります。資産が整理されると、エンディングノートの記入も自然と進み、終活全体の流れを円滑に進めやすくなるという特徴があります。
未来の不安は、今日始める小さな行動によって少しずつ軽くなるとされています。iDeCoを上手に生かしつつ、複数の資産を組み合わせることで、無理なく安心を積み重ねていくことが可能です。

