【手続き完全版】故人のサブスク解約|遺族が実際に動く5ステップ

ご家族が旅立たれたあと、遺品整理や相続の手続きに追われるなかで、つい見落とされがちなのが「サブスク」の存在です。
動画配信や音楽配信、通販の定期購入などは契約者がお亡くなりになっても自動的に止まることはなく、気づかないまま料金が引き落とされ続けてしまうケースも少なくありません。本記事では、遺族が実際にどう動けばよいのか、5つのステップに沿って手続きの流れを詳しくご案内します。実際に「サブスクの存在自体を知らなかった」という遺族の声も多く、通帳の明細を見て初めて気づいたというケースも珍しくありません。次の章では、解約を進める前に、故人がどのようなサブスクを契約していたかを洗い出す方法から確認していきます。

目次

サブスクは死亡しても自動的に解約されない?知っておきたい基本知識

5 steps for surviving family members to cancel deceased person subscriptions 02

「本人が亡くなったのだから、そのうち自動的に止まるだろう」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし実際には、サブスクリプション(サブスク)契約は契約者の死亡だけで終了するものではなく、遺族が解約の手続きを行わない限り、契約は継続したままになります。まずはこの基本的な仕組みを理解しておくことが、無用なトラブルを避ける第一歩になります。

サービス側は契約者の死亡に気づけない仕組みになっている

動画配信サービスや音楽配信サービス、通販の定期購入などを運営する会社は、契約者がご逝去されたことを知る手段を基本的に持っていません。
役所への死亡届の提出は、あくまで戸籍・住民票に関する行政手続きであり、民間企業のサブスク運営会社にその情報が自動的に共有される仕組みはないためです。
そのため、遺族側から連絡をしない限り、サービス側は契約者が変わらず利用を続けているものと認識し続けます。たとえば、契約者本人が長期入院や施設入居をしている場合と、外見上は区別がつかないのです。この「気づいてもらえない」という特性こそが、サブスク解約を難しくしている最大の理由といえます。

クレジットカードや口座を解約してもサブスクは止まらない

「クレジットカードや銀行口座を解約すれば、サブスクも一緒に止まるはず」と考える方もいらっしゃいますが、これは必ずしも正しくありません。
決済手段が無効になった時点で料金の引き落としができなくなり、結果的に延滞状態となって強制的に解約されることはあります。しかし、それまでの間は契約自体が継続しているとみなされ、延滞金や督促の連絡が発生する可能性があります。
また、サービスによってはキャリア決済(携帯電話料金と合算して支払う方式)を利用しているケースもあり、この場合は口座やカードを解約しても影響を受けないまま料金が発生し続けることもあります。決済手段の解約とサブスク契約の解約は、別のものとして考えておく必要があります。

放置すると月々の料金が引き落とされ続けてしまう

サブスクの解約手続きを後回しにしてしまうと、月々数百円から数千円程度の料金が、気づかないうちに何か月も引き落とされ続けることがあります。
1件あたりの金額は小さくても、複数のサービスを契約していた場合や、手続きが数か月にわたって遅れた場合には、合計額がまとまった金額になることも考えられます。
たとえば、動画配信サービスを2つ、音楽配信サービスを1つ契約していた場合、月額の合計が2,000円程度だったとしても、半年間気づかなければ12,000円ほどが遺産(または相続人の負担)から失われてしまう計算になります。故人の口座から自動的に引き落とされている場合は特に見落としやすいため、早めの確認が大切です。

相続放棄を考えている場合は特に注意が必要

相続放棄(故人の財産も借金も一切引き継がないという選択)を検討している場合、サブスク料金の扱いには慎重になる必要があります。
相続財産から料金を支払ってしまうと、それが「相続を承認した」とみなされる行為にあたり、後から相続放棄が認められなくなる可能性があるためです。
この点については本記事の後半でも改めて詳しく触れますが、相続放棄を視野に入れている段階では、故人の口座から自動的に引き落とされる状態を放置せず、早い段階で家庭裁判所や専門家に相談しながら対応方針を決めておくと安心です。

解約手続きを始める前に|故人のサブスクをどう洗い出すか

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サブスクの解約を進めるうえで最初にぶつかる壁が「そもそも何を契約していたのかがわからない」という問題です。
生前にご本人から聞いていない場合、遺族が一から探し出す必要があり、この工程を丁寧に行うかどうかで、後の手続きのスムーズさが大きく変わってきます。ここでは、故人が契約していたサブスクを見つけ出すための具体的な確認方法をご紹介します。特別な知識がなくても、順を追って確認していけば見落としを減らすことができます。次の項目から、具体的な確認方法を一つずつ見ていきましょう。

スマホの利用明細・インストール済みアプリから確認する

まず確認しやすいのが、故人のスマートフォンです。
ホーム画面やアプリ一覧に並んでいる動画配信・音楽配信・電子書籍・フィットネスなどのアプリは、そのままサブスク契約をしている可能性が高いサービスといえます。
また、iPhoneであれば「設定」内のApple ID(Apple社が提供するアカウント)から、Androidであれば「Google Play ストア」の定期購入一覧から、現在契約中のサブスクを一覧で確認できる場合があります。スマホにロックがかかっていて開けない場合は、携帯電話会社の窓口やスマホ本体のメーカーに相談することで、開錠に関する案内を受けられることもあります。ただし、パスワードの解除には契約者本人の相続人であることを証明する書類が必要になるケースが一般的です。

クレジットカード・銀行口座の引き落とし履歴を確認する

アプリからは確認できないサブスクも多いため、クレジットカードの利用明細や、銀行口座の引き落とし履歴をあわせて確認することが欠かせません。
過去3か月から半年分程度をさかのぼって見ていくと、毎月ほぼ同じ金額・同じ相手先に引き落としが発生している項目が見つかることがあります。これがサブスクである可能性が高い部分です。
明細に表示される名称が「Google」「Apple」のように決済代行会社の名前になっていて、実際にどのサービスの利用料なのか判別しづらいこともあります。その場合は、金額や引き落とし日のパターンから、心当たりのあるサービスと照らし合わせて特定していくとよいでしょう。

メールの受信履歴から契約中のサービスを探す

サブスクの多くは、契約時や決済のたびに確認メールを送信しています。
故人のメールアカウントにアクセスできる場合は、「ご契約ありがとうございます」「お支払い明細」「次回更新のお知らせ」といった件名のメールを検索することで、契約中のサービスを効率的に洗い出すことができます。
とくに、年払いのサブスクは月々の引き落とし履歴だけでは見落としやすいため、メールの検索と組み合わせて確認することをおすすめします。メールアカウントのパスワードがわからない場合は、各メールサービスの提供会社に相続手続きとしての問い合わせを行う方法もあります。複数のメールアドレスを使い分けていた場合は、それぞれのアカウントを確認する必要がある点にも注意しておきましょう。

エンディングノートやメモが残っていれば最優先で確認する

もし故人がエンディングノート(万一のときに備えて、資産やご自身の希望をまとめておくノート)やメモを残していた場合は、まずそちらを確認しましょう。
契約中のサービス名やID、パスワードが記載されていれば、スマホやメールを一つひとつ調べる手間を大きく減らせます。
生前に情報が整理されていたご家庭では、この段階の作業が数時間で終わることもあれば、情報が何も残されていない場合は数日がかりになることもあり、生前の備えの有無によって遺族の負担が大きく変わる部分でもあります。もし何も見つからなくても、焦らず次の確認方法に進めば問題ありません。エンディングノートの有無に関わらず、洗い出しは着実に進めていくことができます。

【本編】遺族が実際に動く5ステップ|故人のサブスク解約の進め方

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契約中のサブスクがある程度洗い出せたら、いよいよ実際の解約手続きに入ります。
ここからは、遺族が実際に動く流れを5つのステップに分けてご説明します。サービスによって細かな違いはありますが、基本的な進め方はこの流れに沿って考えていただくと、迷わず対応しやすくなります。すべてのサブスクを一度に片付けようとせず、一つずつ順番に対応していくことで、精神的な負担も抑えながら進めることができます。

STEP1 契約中のサブスクを一覧にする

前章で洗い出した情報をもとに、契約中のサブスクを一覧表にまとめます。
サービス名、月額または年額の料金、決済方法(クレジットカード・銀行口座・キャリア決済など)、契約開始時期がわかる範囲で記録しておくと、この後の手続きが格段に進めやすくなります。
紙のノートでもスマホのメモアプリでも構いませんが、一覧化しておくことで「解約が済んだもの」と「まだ手続き中のもの」が一目でわかるようになり、対応漏れを防ぐことができます。件数が多い場合は、優先度の高いもの(金額が大きい、更新日が近いもの)から着手すると効率的です。

STEP2 各サービスの解約窓口・解約条件を確認する

一覧ができたら、それぞれのサービスの公式サイトで解約窓口と解約条件を確認します。
サービスによって、Webサイト上のマイページから手続きできるもの、電話でのみ対応しているもの、書面でのやり取りが必要なものなど、対応方法にはばらつきがあります。
また「死亡による契約者変更・解約」を専用フォームで受け付けているサービスもあれば、通常の解約窓口に個別に相談する必要があるサービスもあります。事前に公式サイトのヘルプページなどで確認しておくと、いざ連絡する際の手間を減らせます。

STEP3 死亡の事実を証明する書類を準備する

多くのサービスでは、契約者がお亡くなりになったことと、連絡している人が相続人であることを証明する書類の提出を求められます。
一般的には、死亡診断書の写しや除籍謄本、申請者の身分証明書、相続関係を示す戸籍謄本などが必要になるケースが多く見られます。
サービスごとに必要書類が微妙に異なるため、STEP2で確認した各社のルールに沿って、あらかじめコピーを何部か用意しておくと、複数のサービスに同時並行で連絡する際にスムーズです。原本の提出が必要なのか、コピーで足りるのかも事前に確認しておきましょう。

STEP4 サービスごとに解約の連絡・手続きを行う

必要書類が揃ったら、各サービスへ実際に連絡し、解約の手続きを進めます。
電話の場合は、契約者の氏名・生年月日・会員番号などを聞かれることが多いため、手元に契約者情報をまとめておくと話がスムーズです。
Webフォームや郵送での手続きの場合は、返信までに数日から数週間かかることもあるため、余裕を持って進めることが望ましいです。複数のサービスを同時に進める場合は、STEP1で作成した一覧表に連絡日・対応状況を書き込みながら進めると、どこまで手続きが済んだかを管理しやすくなります。

STEP5 解約完了の確認と記録を残す

解約の連絡をしたら、それで終わりにせず、必ず解約完了の通知やメールを確認しましょう。
「連絡はしたはずなのに、翌月も料金が引き落とされていた」というトラブルは実際に起こりやすく、口頭での対応だけでは解約が正式に完了していないケースもあるためです。
解約完了メールが届いた場合は保存しておき、次月以降の口座やカードの明細で、実際に引き落としが止まったことまで確認できると安心です。すべてのサブスクについてこの確認が取れた時点で、一連の解約作業は完了となります。

サービス・決済方法別の注意点|見落としやすいポイント

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サブスクといっても、決済方法や契約形態によって解約時の注意点は異なります。
ここでは、遺族の方から特にご相談の多いパターンを取り上げ、それぞれどのような点に気をつければよいかをご説明します。ここで取り上げるパターンに一つでも心当たりがある場合は、通常の解約手続きに加えて、それぞれの注意点も確認しながら進めていただくと安心です。

動画配信・音楽配信サービスは解約方法が窓口ごとに異なる

動画配信や音楽配信サービスは、契約したプラットフォームによって解約の手続き先が変わる点に注意が必要です。
たとえば、公式サイトから直接契約した場合は運営会社への連絡で完結しますが、App StoreやGoogle Playストア経由で契約していた場合は、サービス運営会社ではなくApple社やGoogle社側での定期購入解除が必要になることがあります。
この違いに気づかず、サービス側にだけ連絡して「解約したつもり」になってしまうケースも見られます。契約時にどの窓口を経由していたかを確認したうえで、必要な手続き先に連絡することが大切です。
ポイントやマイルが付帯するサービスを利用していた場合、相続の可否についても別途確認しておくと安心です。たとえば楽天・Tポイント・マイルの相続どうなる?失効させないデジタル終活のやり方では、ポイントの相続可否について詳しく解説しています。

スマホ料金と合算されているキャリア決済の場合

サブスクの支払いを、携帯電話料金とまとめて支払う「キャリア決済」で行っていた場合は、スマホ本体の解約手続きとサブスクの解約手続きを別々に進める必要がある点に注意しましょう。
携帯電話会社の窓口でスマホ回線を解約しても、キャリア決済経由で契約していたサブスク自体は自動的には解約されず、そのまま契約が残ってしまうことがあります。
スマホの解約を進める際は、あわせてキャリア決済で契約しているサービスがないかを確認し、両方の手続きを漏れなく行うようにしてください。契約明細にキャリアの名前と一緒にサービス名が記載されていることもあるため、スマホの請求内訳を細かく確認してみることをおすすめします。

家族カードや法人カードで契約されている場合

故人が契約していたクレジットカードが、家族カードや法人カードだった場合は、解約の進め方が通常と少し異なります。
家族カードの場合は、本会員(主にご家族の代表者)への確認や、本会員側での手続きが必要になることが一般的です。
法人カードで契約していたサブスクについては、個人の相続手続きとは切り分けて、会社の資産・契約として整理する必要があるため、税理士や会社の担当者に相談しながら進めることをおすすめします。カード会社によって対応が異なるため、まずはカード発行会社のサポート窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

相続放棄を検討している場合はサブスク料金の支払いに注意

前章でも触れた通り、相続放棄を検討している場合、故人の財産からサブスク料金を支払ってしまうと、相続を承認したとみなされる可能性があります。
この場合、まずは家庭裁判所や司法書士・弁護士などの専門家に相談し、相続放棄の手続きと並行してどのように対応すべきかを確認することが望ましいといえます。
解約の連絡自体(契約を止めるための意思表示)と、未払い料金の支払いは分けて考える必要がある点も、あわせて押さえておきたいポイントです。デジタル資産全般の整理についてはデジタル終活を忘れずに遺品整理をするためのコツでも詳しく取り上げていますので、あわせてご覧いただくと手続き全体の流れがつかみやすくなります。

同じ苦労を繰り返さないために|今のうちにできるサブスク対策への備え

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ここまでご紹介してきた手続きは、事前に情報が整理されていれば、遺族の負担を大きく減らすことができるものばかりです。
今回の経験を踏まえて、ご自身やご家族のために、今のうちからできる備えについてもご紹介します。

契約中のサブスクを「見える化」しておく

まずは、ご自身が契約しているサブスクを一覧にまとめておくことから始めてみましょう。
サービス名、料金、決済方法、契約している端末やアカウントをリスト化しておくだけで、万一のときに家族が探す手間を大きく減らすことができます。
家計簿アプリやスマホのメモ機能を活用して、定期的に見直す習慣をつけておくと、契約したまま忘れているサブスクにも自分自身で気づきやすくなります。PayPay残高は相続できる?身寄りがない人が知っておくべき注意点のように、電子マネーの残高についても同様に見える化しておくと安心です。

家族や信頼できる人にサブスクの存在を伝えておく

一覧を作るだけでなく、その存在を家族や信頼できる人に伝えておくことも大切です。
パスワードそのものを共有する必要はありませんが、「どのようなサービスを契約しているか」「一覧をどこに保管しているか」を伝えておくだけで、いざというときの調査の手間が大きく変わります。
エンディングノートに記載しておく方法も、情報を一元化できるという点でおすすめです。誰か一人にすべてを託すのが不安な場合は、複数人でゆるやかに共有しておく方法も検討してみてください。

おひとり暮らしの家族がいる場合は特に生前の準備を

ご自身の親御さんやご兄弟など、おひとりで暮らしているご家族がいる場合は、その方の分についても一緒に備えを進めておくと安心です。
同居しているご家族がいる場合と比べて、おひとり暮らしの方が契約しているサブスクは、周囲が把握しづらい傾向があります。
たとえば、実家に帰省したタイミングで「契約しているサブスクってある?」と軽く聞いてみるだけでも、いざというときの手がかりになります。【おひとりさま専用】デジタル終活が必須な単身・独身ならではの対策・始め方では、おひとりさまご本人が今からできる具体的な対策をまとめていますので、あわせて共有してみるのもよいでしょう。

よりねこの死後事務委任契約でできること

「自分が同じ立場になったとき、家族にここまでの手間をかけさせたくない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
よりねこでは、死後事務委任契約(ご本人が亡くなったあとの各種手続きを、あらかじめ第三者に依頼しておく契約)のご相談を承っており、サブスクの解約を含めたデジタル資産の整理も、依頼内容に応じてご案内することができます。
おひとりで暮らしている方はもちろん、ご家族に手続きの負担をかけたくないと考えている方にとっても、選択肢の一つとして知っておいていただけると幸いです。ご興味のある方は、お気軽によりねこまでお問い合わせください。

まとめ|サブスクの解約は「気づいた人が動く」ことが大切

故人のサブスク解約は、放置していても誰かが代わりに気づいてくれるものではなく、遺族自身が動かない限り手続きは進みません。
まずは契約中のサブスクを洗い出し、今回ご紹介した5つのステップに沿って一つずつ対応していけば、決して難しい作業ではありません。
今回の経験を踏まえて、ご自身やご家族の情報を今のうちから整理しておくことも、将来同じような負担を繰り返さないための大切な一歩になります。よりねこでは、そうした生前の備えについてもご相談を承っておりますので、気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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