おひとり様が仮想通貨を持っているなら準備しておきたいこと

おひとり様として仮想通貨を持っていると、「自分に何かあったとき、この資産はどうなるのだろう」と不安になることはないでしょうか。
仮想通貨はパスワードや保管場所を本人しか知らないケースが多く、家族がいても引き継ぎに苦労する資産のひとつです。まして相続人となる家族が身近にいないおひとり様であれば、なおさら事前の備えが欠かせません。
この記事では、おひとり様が仮想通貨を持っている場合に準備しておきたいことを、情報整理の方法から法的な備えまで具体的に解説します。

目次

おひとり様が仮想通貨を持っているなら知っておきたいリスクとは

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おひとり様が仮想通貨を保有する場合、家族と暮らしている方とは異なるリスクを抱えることになります。仮想通貨はそもそも「見えない資産」であるうえに、おひとり様には日常的にその存在を共有する相手がいないことが多いためです。
ここでは、おひとり様が仮想通貨を持つことで生じやすいリスクを整理し、なぜ早めの備えが大切なのかを見ていきます。

仮想通貨は「気づかれない資産」になりやすい理由

仮想通貨は、銀行口座のように通帳や郵便物から存在に気づいてもらえる資産ではありません。取引所のアカウントやウォレットアプリの中に電子的な記録として存在するだけで、スマートフォンやパソコンを開かなければ、誰の目にも触れないままになってしまいます。
たとえば、ハードウェアウォレット(USBのような専用機器で仮想通貨を管理する方法)に資産を移していた場合、その機器の存在自体を知らなければ、周囲の人が資産があることに気づくのはほぼ不可能です。
このように仮想通貨は、本人が意識的に情報を残しておかない限り、誰にも気づかれないまま埋もれてしまう可能性がある資産だといえます。おひとり様の場合、日常的にお金の話をする相手が少ないぶん、この「気づかれにくさ」がより大きなリスクとして働きます。

おひとり様の仮想通貨は引き継ぎ先が定まっていないことが多い

配偶者や子どもと暮らしている方であれば、資産は自然と家族に引き継がれていくものと考えられがちです。しかし、おひとり様の場合は、そもそも「誰に引き継ぐのか」という前提そのものが定まっていないことが少なくありません。
きょうだいや甥・姪がいる場合でも、日頃から連絡を取り合っていなければ、仮想通貨を保有していることを伝えるタイミングを逃してしまいがちです。
また、「まだ元気だから」「そのうち考えればいい」と先延ばしにしているうちに、判断能力の低下や急な体調変化が起こり、整理する機会を失ってしまうケースも考えられます。引き継ぎ先を自分の意思で決めておけるうちに、方向性を考えておくことが、おひとり様にとって大切な備えの第一歩になります。

仮想通貨を保有したまま何もしないとどうなるか

仮想通貨の情報を誰にも伝えないまま万が一のことが起きた場合、その資産は長期間、あるいは永久に誰の手にも渡らないまま眠り続ける可能性があります。
特にパスワードやシードフレーズ(秘密鍵を復元するための単語列)が本人以外にわからない状態だと、たとえ相続人が見つかったとしても、資産にアクセスすること自体ができません。
仮想通貨の相続について解説した仮想通貨の相続、パスワードがわからない時の対処法とはでも触れているとおり、パスワードが不明なまま相続が発生すると、手続きには時間も手間もかかります。おひとり様の場合は、そもそも手続きを進める相続人が見つかりにくいという点も踏まえ、資産が宙に浮いてしまう事態を避ける準備を考えておく必要があります。

おひとり様だから仮想通貨の備えは後回しでいいという誤解

「家族に迷惑をかける相手がいないから、仮想通貨のことも急いで整理しなくていい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは実際にはやや誤解を含んだ考え方です。
おひとり様であっても、仮想通貨のような価値のある資産をそのままにしておくと、最終的には行政や見知らぬ第三者が関わる手続きに発展する可能性があります。また、誰にも気づかれないまま資産が失われてしまうことは、迷惑をかけないどころか、本来受け取るはずだった人が受け取れなくなるという結果にもつながりかねません。
「迷惑をかけないため」ではなく「自分の意思を資産に反映させるため」という視点で考えると、おひとり様こそ仮想通貨の備えを早めに始める意味が見えてきます。

早めに仮想通貨を整理しておくことで得られる安心

仮想通貨の情報を整理し、誰にどう託すかを決めておくことは、単なる手続き上の準備にとどまりません。「自分がいなくなったあと、この資産がどうなるかわからない」という漠然とした不安を減らし、日々の生活を安心して送るための土台にもなります。
たとえば、保有している仮想通貨の種類や取引所を書き出しておくだけでも、いざというときに慌てず対応できる状態に近づきます。
次の章からは、相続人がいない場合に仮想通貨がどのような扱いになるのか、そして具体的にどう整理を進めればよいのかを順に見ていきます。

おひとり様に相続人がいない場合、仮想通貨の行方はどうなるのか

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「自分には相続人がいないかもしれない」というおひとり様にとって、仮想通貨がどのような扱いになるのかは気になるところです。ここでは、法定相続人がいない場合に仮想通貨を含む財産がたどる一般的な流れを整理します。
特に仮想通貨は、通帳や登記簿のように公的な記録として誰かの目に触れる資産ではないため、相続人の有無にかかわらず、その存在自体が見過ごされやすいという特徴があります。だからこそ、一般的な相続の流れを知っておくことが、おひとり様にとって備えの第一歩になります。

法定相続人がいない場合の仮想通貨の扱い

法定相続人(法律で定められた相続の対象者)が誰もいない場合、仮想通貨を含む財産は家庭裁判所によって選任された相続財産清算人によって管理されることになります。相続財産清算人は、財産を調査したうえで債権者への支払いなどを行い、それでも財産が残った場合に次の手続きへと進みます。
おひとり様であっても、きょうだいや甥・姪が法定相続人にあたるケースは少なくありません。ただし、そうした親族と長く疎遠になっている場合、相続人としての手続きが進むまでに時間がかかることもあります。仮想通貨のように存在自体が把握されにくい資産では、この点がより顕著になる可能性があります。

仮想通貨が特別縁故者に渡るケースとは

法定相続人が一人もいない、あるいは相続人全員が相続放棄をした場合には、「特別縁故者」として家庭裁判所に申し立てをした人が財産を受け取れる可能性があります。特別縁故者とは、生前に献身的に世話をしていた人や、生計をともにしていた人など、故人と特別な関係にあったと認められた人を指します。
おひとり様が親しい友人や、身の回りの世話をしてくれていた知人に仮想通貨を託したいと考えている場合、この特別縁故者の制度が選択肢のひとつになることがあります。
ただし、特別縁故者として認められるかどうかは家庭裁判所の判断に委ねられており、必ず財産を受け取れるとは限りません。確実に意思を反映させたい場合は、後述する遺言書などの備えとあわせて検討しておくと安心です。

引き取り手のない仮想通貨は最終的に国庫に帰属する

相続人もおらず、特別縁故者としての申し立ても行われなかった場合、残った財産は最終的に国庫に帰属することになります。これは仮想通貨に限らず、預貯金や不動産など、あらゆる相続財産に共通する仕組みです。
おひとり様にとって、自分が大切に育ててきた資産が誰の手にも渡らず国庫に帰属してしまうことは、望ましい結末とはいえない場合が多いのではないでしょうか。
こうした事態を避けるためには、「相続人がいないかもしれない」という前提に立ったうえで、自分の意思で仮想通貨の行き先を決めておく準備が重要になります。

おひとり様の仮想通貨が「誰にも渡らない」事態を防ぐには

仮想通貨が誰にも渡らない事態を防ぐためには、大きく分けて「情報を整理して伝えておくこと」と「法的な形で意思を残しておくこと」の2つの備えが有効です。
まず、保有している仮想通貨の種類や取引所を一覧にし、信頼できる相手や専門家に伝えておくことで、資産の存在そのものが埋もれてしまうリスクを減らせます。そのうえで、遺言書などの法的な手段を組み合わせることで、資産の行き先を自分の意思で指定することができます。
次の章では、まず仮想通貨の情報をどのように棚卸し・整理していけばよいかを具体的に見ていきます。

甥や姪など、想定していなかった人が仮想通貨の相続人になるケース

おひとり様の中には、「自分には相続人がいない」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、実際には兄弟姉妹や、その子どもにあたる甥・姪が法定相続人となるケースが多く見られます。兄弟姉妹がすでにお亡くなりになっている場合、その子どもである甥・姪が代わって相続人になる仕組み(代襲相続)があるためです。
この場合、普段ほとんど交流のない甥や姪が、ある日突然、仮想通貨を含む財産の相続人として手続きに関わることになります。仮想通貨の存在や保管場所を知らされていなければ、相続人となった側も対応に困ってしまうでしょう。
「疎遠な親族に財産を残したいわけではない」という場合も含めて、誰に何を託したいのかを事前に整理しておくことが、おひとり様にとって大切な準備といえます。

おひとり様が保有する仮想通貨を棚卸し・整理する方法

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仮想通貨の行き先をどう考えるにせよ、まず取り組みたいのが「自分が何を、どこで保有しているか」を把握する棚卸しです。おひとり様の場合、この作業を自分一人で完結できることが多いぶん、後回しにしがちな点でもあります。ここでは具体的な整理の進め方を紹介します。
棚卸しといっても、難しい作業ではありません。今どの取引所を使っていて、それぞれにどの程度の仮想通貨を預けているかを紙やメモにまとめるだけでも、大きな一歩になります。おひとり様は自分のペースで進められる分、着手のタイミングを自分で決めておくことが大切です。

利用している仮想通貨の取引所・ウォレットを一覧化する

最初に取り組みたいのが、現在利用している仮想通貨の取引所やウォレットをすべて書き出すことです。複数の取引所に口座を分散させている方や、過去に使っていたけれど現在はほとんど利用していない口座がある方は、特に一覧化の効果が大きくなります。
一覧には、取引所名やウォレットの種類に加えて、おおよその保有状況もあわせてメモしておくと、後から見返したときにわかりやすくなります。
たとえば、複数の取引所に少額ずつ仮想通貨を分散させている場合、本人でさえ全体像を把握しきれていないことがあります。一覧化はそうした「自分自身の資産の見える化」にもつながる作業です。

国内取引所の仮想通貨で気をつけたいポイント

国内の仮想通貨取引所を利用している場合、相続や資産承継の手続きは比較的整備されている傾向にあります。取引所に問い合わせれば、必要書類や手続きの流れを案内してもらえることが一般的です。
ただし、これはあくまで「相続人が取引所の存在を把握できている」ことが前提です。おひとり様の場合、取引所名を知らせる相手がいなければ、この仕組みが機能する前提そのものが成り立ちません。
国内取引所を利用している場合でも、口座を開設していること自体を誰かに伝えておく、あるいは記録として残しておくという準備が欠かせません。

海外取引所の仮想通貨で気をつけたいポイント

海外の仮想通貨取引所を利用している場合は、国内取引所に比べて手続きの難易度が上がりやすい点に注意が必要です。言語の壁や本人確認書類の要件など、相続人が単独で対応するのが難しい場面が少なくありません。
おひとり様が海外取引所を利用している場合、まず「海外取引所を使っている」という事実そのものを、信頼できる相手や専門家に伝えておくことが重要になります。
加えて、口座開設時に登録したメールアドレスや本人確認情報も、あわせて記録しておくと、実際に手続きが必要になった際の負担を軽減できます。

エンディングノートに仮想通貨の情報を書き残す

仮想通貨の棚卸しができたら、その内容をエンディングノート(万が一に備えて希望や情報を書き残しておくノート)にまとめておくと安心です。ただし、パスワードやシードフレーズそのものを直接書き込むのは避け、「どこに、どのような形で保管しているか」という保管場所の情報にとどめておくことをおすすめします。
たとえば、「仮想通貨に関する情報は、自宅の金庫にある専用ノートにまとめてある」といった書き方であれば、エンディングノート自体が誰かの目に触れても、パスワードの流出につながる心配がありません。
おひとり様が自分ひとりで抱え込みがちな情報だからこそ、こうした一段階置いた伝え方を意識しておくと安心です。

おひとり様の仮想通貨情報は定期的に見直す

仮想通貨の情報は一度整理して終わりではなく、定期的な見直しが欠かせません。新しく取引所の口座を開設したり、逆に使わなくなった口座を解約したりすることで、状況は少しずつ変化していくためです。
目安としては、半年から1年に一度、エンディングノートや資産一覧の内容と実際の保有状況にズレがないかを確認する機会を設けるとよいでしょう。
おひとり様の場合、こうした見直しの機会を自分でつくらなければ誰にも指摘してもらえません。カレンダーに定期確認の予定を入れておくなど、仕組みとして習慣化しておくことをおすすめします。

仮想通貨のパスワードやシードフレーズをおひとり様はどう託すか

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仮想通貨の棚卸しができたら、次に考えたいのが「パスワードやシードフレーズをどう託すか」という点です。ここを誤ると、せっかく整理した情報がかえってリスクになることもあるため、慎重に考えていきましょう。
託し方を誤ると、せっかく整理した資産情報が悪用されるリスクにもつながりかねません。おひとり様だからこそ、「誰に」「何を」「どこまで」伝えるかを丁寧に切り分けて考えることが大切です。

仮想通貨のパスワードをそのまま書き残すリスク

仮想通貨のパスワードやシードフレーズを、エンディングノートやメモにそのまま書き残すことには注意が必要です。これらの情報は、いわば仮想通貨そのものを動かせる「鍵」にあたります。
もしノートやメモを誰かに見られてしまった場合、悪意のある第三者に資産を持ち出されてしまう可能性も否定できません。おひとり様の場合、日常的に自宅に出入りする人が限られているとはいえ、介護や見守りサービスの利用、入院時の対応などで、思わぬ形で他人が身の回りの物に触れる場面も出てきます。
パスワードそのものではなく、「どこに保管されているか」を伝える形にとどめることが、安全に情報を託すための基本になります。

「保管場所」を伝えるという仮想通貨の託し方

具体的には、パスワードやシードフレーズを紙に書いて金庫や貸金庫に保管し、「その保管場所」だけをエンディングノートや遺言書に記しておく方法があります。
また、パスワード管理アプリを利用している場合は、そのアプリ自体のマスターパスワードの保管場所を伝えておくという方法も考えられます。
いずれの場合も、「情報そのもの」と「情報のありか」を分けて管理することがポイントです。おひとり様が仮想通貨を託す際は、このひと手間を惜しまないことが、資産と安全性の両方を守ることにつながります。

おひとり様が仮想通貨を託す相手をどう選ぶか

仮想通貨の保管場所を伝える相手は、必ずしも法定相続人である必要はありません。信頼できる友人や、日頃から相談している専門家など、自分が安心して任せられる相手を選ぶことができます。
たとえば、きょうだいが遠方に住んでいて日常的な連絡が難しい場合、近くに住む友人や、任意後見人(判断能力が低下した際に財産管理などを任せる契約を結んだ人)に情報を託しておくという選択肢も考えられます。
誰か一人だけに全てを委ねることに不安がある場合は、専門家と信頼できる知人の両方に、それぞれ異なる形で情報を分散して託しておく方法も一案です。

二段階認証やバックアップ方法も仮想通貨ごとに整理する

近年は多くの仮想通貨取引所やウォレットアプリで、二段階認証(パスワードに加えてスマートフォンなどでの追加確認を行う仕組み)が導入されています。この認証方法についても、あわせて整理しておくことが欠かせません。
二段階認証に利用しているスマートフォンが操作できない状態になると、パスワードがわかっていても資産にアクセスできなくなる可能性があります。
どの仮想通貨に、どの端末やアプリで二段階認証を設定しているかを一覧にまとめ、機種変更のたびに更新しておくことで、いざというときの混乱を防ぐことができます。

専門家に仮想通貨の情報を預けるという選択肢

友人や親族に情報を託すことに抵抗がある場合や、そもそも身近に頼れる人がいない場合は、専門家に情報を預けるという方法もあります。行政書士や弁護士など、守秘義務を負う専門家であれば、生前は情報を開示せず、万が一のときにだけ必要な相手へ伝えるという形での対応も可能です。
仮想通貨の相続について解説した仮想通貨のことは生前に伝えるべき?家族に遺す前の準備とはでも触れているように、情報を「誰に、どこまで」伝えるかは、おひとり様にとって特に悩みやすいポイントです。専門家という第三者を間に挟むことで、この悩みを整理しやすくなる場合があります。

おひとり様が仮想通貨のために検討したい法的な備え

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情報の整理と並行して考えておきたいのが、遺言書や死後事務委任契約といった法的な備えです。おひとり様の場合、これらの制度をどう組み合わせるかによって、仮想通貨を含む資産の行き先や、生前の管理方法が大きく変わってきます。
仮想通貨は価格変動があり、専門知識も必要になる資産のため、口約束や家族間の暗黙の了解だけに頼るのではなく、法的な裏付けのある形で備えておくことが、おひとり様にとって特に重要になります。

遺言書で仮想通貨の行き先を指定しておく

仮想通貨を含む財産の行き先を自分の意思で確実に指定したい場合、遺言書の作成が有効な手段になります。特に公正証書遺言(公証役場で作成する、法的に確実性の高い遺言書)であれば、内容の不備によって無効になるリスクを抑えられます。
遺言書には、仮想通貨の種類や取引所名、おおよその保有状況を記載したうえで、誰に承継させたいかを明記しておきます。ただしパスワードやシードフレーズそのものは遺言書に直接書かず、保管場所を示すにとどめておくことをおすすめします。
遺言書があることで、法定相続人がいない場合でも、特別縁故者や、あるいは遺言によって財産を受け取る人(受遺者)に、仮想通貨を含む財産を確実に託すことができます。

死後事務委任契約で仮想通貨を含む手続きを託す

死後事務委任契約とは、亡くなった後に必要となる各種手続きを、生前のうちに第三者へ依頼しておく契約です。葬儀や納骨の手配だけでなく、仮想通貨の取引所への連絡や解約手続きなども、この契約に含めておくことができます。
おひとり様の場合、亡くなった後の手続きを担う家族が身近にいないケースが多いため、この契約を結んでおくことで、仮想通貨を含む資産整理がスムーズに進みやすくなります。
契約の相手には、行政書士や司法書士といった専門家のほか、身元保証・死後事務を扱う事業者を選ぶこともできます。仮想通貨のように専門的な知識が必要な資産については、こうした事業者を活用することで、より確実な対応が期待できます。

任意後見制度で仮想通貨の管理不能に備える

任意後見制度とは、将来、判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ後見人(財産管理などを代わりに行う人)を自分で選んでおける制度です。認知症などによって仮想通貨の管理が難しくなった場合でも、任意後見人が契約の範囲内で資産を守る対応にあたることができます。
後見人に財産を使い込まれるのではないかという不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。後見人に財産を使い込まれる?おひとり様のための正しい制度の選び方でも解説しているとおり、後見人の選び方や契約内容を工夫することで、こうしたリスクを抑えることができます。
仮想通貨のように価格変動があり、専門知識が求められる資産だからこそ、信頼できる後見人を早い段階から選んでおくことが安心につながります。

家族信託という仮想通貨の管理方法

家族信託とは、自分の財産の管理を信頼できる人(受託者)に託し、あらかじめ定めた目的に沿って管理・運用してもらう仕組みです。おひとり様の場合、家族がいないと家族信託は使えないと思われがちですが、家族信託は必ずしも血縁関係のある家族に限定されるものではありません。
信頼できる友人や、法人として運営されている一般社団法人などを受託者とする形でも、家族信託の仕組みを利用できる場合があります。
ただし、家族信託の設計は専門的な知識が必要になるため、仮想通貨を対象に含めたい場合は、家族信託に詳しい専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

おひとり様に合った制度の組み合わせ方

ここまで紹介してきた遺言書・死後事務委任契約・任意後見制度・家族信託は、いずれか一つだけを選ぶ必要はなく、組み合わせて活用することができます。
たとえば、判断能力があるうちの財産管理は任意後見制度で備え、亡くなった後の手続きは死後事務委任契約で託し、最終的な資産の行き先は遺言書で指定するという形であれば、生前から死後まで切れ目のない備えが完成します。
どの制度をどう組み合わせるべきかは、保有している仮想通貨の規模や、頼れる相手の有無によっても変わってきます。判断に迷う場合は、専門家に相談しながら自分に合った形を見つけていくとよいでしょう。

おひとり様が仮想通貨の備えを元気なうちに始めるには

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ここまで紹介してきた情報整理や法的な備えは、判断能力があり、体力的にも動ける「元気なうち」でなければ進めることができません。最後に、おひとり様が仮想通貨の備えを無理なく始めるための考え方を整理します。
判断能力の低下や急な体調変化は、誰にでも起こり得るものです。「まだ大丈夫」と思っている今のうちに、少しずつでも動き出しておくことが、おひとり様にとって何よりの備えになります。

仮想通貨の備えを一人で抱え込まない

おひとり様は、良くも悪くも物事を自分一人で判断し、進められる立場にあります。しかし、仮想通貨の管理や相続に関する制度は専門性が高く、一人で正確に理解し、手続きまで完結させるのは簡単ではありません。
「誰にも相談せずに自分だけで完璧に準備しなければ」と気負う必要はありません。むしろ、早い段階で専門家や信頼できる相手を頼ることが、結果的に確実な備えにつながります。
一人で抱え込まないという意識を持つことが、おひとり様が仮想通貨の備えを継続していくうえでの土台になります。

おひとり様が仮想通貨について相談できる窓口

仮想通貨に関する相談先としては、相続に詳しい弁護士や行政書士、税理士のほか、おひとり様向けの終活支援を行う事業者などが挙げられます。
相談先を選ぶ際は、仮想通貨や暗号資産に関する知識を持っているかどうかを確認しておくと安心です。まだ比較的新しい分野であるため、専門家によって対応できる範囲に差があることも珍しくありません。
複数の窓口に話を聞いてみて、自分の状況や希望に合った相談先を見つけていくとよいでしょう。仮想通貨を相続した場合の売却タイミングについては、仮想通貨を相続したら、いつ売る?2028年の税制改正で変わることでも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

よりねこで仮想通貨を含めたおひとり様の備えをサポート

よりねこでは、仮想通貨を含む資産の整理から、死後事務委任契約や任意後見制度の活用まで、おひとり様の終活をトータルでご相談いただけます。
「何から手をつければいいかわからない」「仮想通貨のことを誰かに相談するのは初めてで不安」という方も、まずは現在の状況をお聞かせいただくところから始めていただけます。
おひとり様が急に体調を崩した場合、病院からの連絡先が定まっていないと対応が遅れてしまうこともあります。おひとり様が急病で倒れたら病院から誰に連絡がいく?今できる備えを解説もあわせてご覧いただくと、仮想通貨以外の備えとの関連もイメージしやすくなります。よりねこでは、おひとり様の終活に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

小さな一歩から仮想通貨の整理を始める

仮想通貨の備えと聞くと、遺言書の作成や専門家への相談など、大がかりな準備を想像してしまうかもしれません。しかし、最初の一歩は「利用している取引所を書き出してみる」といった小さな作業で十分です。
たとえば、休日の30分だけを使って、自分がどの仮想通貨を、どこに、どれくらい保有しているかをメモにまとめてみるだけでも、大きな前進になります。
おひとり様は誰かに急かされることがないぶん、自分のタイミングで始められるという利点もあります。今日できる小さな一歩から、仮想通貨の備えを進めていきましょう。

おひとり様の仮想通貨の備えはいつ見直せばいいか

一度整理した仮想通貨の情報や法的な備えも、時間の経過とともに見直しが必要になります。保有する仮想通貨の種類が増えたり、逆に手放したりするたびに、エンディングノートや遺言書の内容とのズレが生じるためです。
見直しのタイミングとしては、誕生日や年末年始など、自分の中で区切りとなる時期を目安に定めておくと、忘れずに続けやすくなります。
おひとり様にとって、仮想通貨の備えは一度きりの作業ではなく、生活の一部として続けていく習慣です。焦らず、少しずつ整えていくことを心がけましょう。

まとめ

おひとり様が仮想通貨を持っている場合、家族と暮らす方以上に「自分の意思をどう資産に反映させるか」という視点での備えが重要になります。
まずは保有している仮想通貨の棚卸しから始め、パスワードやシードフレーズは保管場所を伝える形で整理し、遺言書や死後事務委任契約、任意後見制度といった法的な備えを組み合わせていくことで、資産が誰にも渡らないまま埋もれてしまう事態を防ぐことができます。
一人で全てを抱え込む必要はありません。よりねこでは、仮想通貨を含めたおひとり様の終活に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

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